ゴッホのジャポニスム(2) - アルルでの生活 - 浮世絵ぎゃらりぃ
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ゴッホのジャポニスム(2) - アルルでの生活

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ゴッホの書簡(2)

ファン・ゴッホからベルナール宛ての手紙(1888年6月6日~11日)

もっと楽しいモティーフを取り上げることにして、この同じ青い空とオレンジ色の土地の素朴な風景のなかに、黒と白の市松模様のワンピースを着た女性を置いてみよう。想像してみるとかなりおもしろい眺めだろう。ちょうどこのように、アルルでは白と黒の市松模様をみんなよく着ている。
黒と白もまた色彩であると言うだけで十分だ。多くの場合、黒と白は色彩と考えることができるし、二つを並置した対照は例えば緑と赤の対照と同じように刺激的だからだ。
それに日本人だってこれらを使っている。彼らは若い娘のつやのない、青白い顔色、そして黒い髪の鋭い対照を白い紙とペンの四本の線描で驚くほどみごとに表現している。
それにまた、無数の白い花を星のようにちりばめた黒い茨の潅木の絵だってある。

ファン・ゴッホから弟テオ宛ての手紙(1888年7月25日ごろ)

ところで、君は「mousmé(ムスメ)」が何のことか知っているかな(ロティの『お菊さん』を読んでいればわかるのだが)、僕はそれを一枚描いたところだ。
…中略…
ムスメというのは十二歳から十四歳の日本の-今度の場合はプロヴァンスだが-少女のことだ。これで手元にある人物画はズワーヴ兵のと彼女のとで二点になる。

Portrait of a mousmé

このとき描かれたのが「Portrait of a mousmé」です。
彼はピエール・ロティの小説「お菊さん(Madame Chrysanthème)」に登場する「ムスメ」の説明とその挿絵に興味を持ち、この絵を描いたようです。
手紙の中で触れられているmousméについて、ロティは小説の中で
‘Mousmé is a word for a girl or a very young woman.It is one of the most appealing words in Japanese, for it contains suggestions of moue(the sweet,funny littlt moue they have), and above all frimousse(than impish little face of theirs)’
と説明しています。

ロティは1885年に日本を訪れており、「お菊さん」での、ロティ自身が体験した日本のリアルな描写にゴッホはとても興味を抱いていたようです。おそらくこの本を通して日本を間接的に体験していたのでしょう。
この「ムスメ」以外にも、本の挿絵に登場する僧侶のイラストにヒントを得て、後で登場する「Self-portrait as a bonze」という自画像を描いています。

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