彫りと摺りの技術(2) - 彫りの技術・髪 - 浮世絵ぎゃらりぃ
浮世絵ぎゃらりぃ

彫りと摺りの技術(2) - 彫りの技術・髪

スポンサーリンク

彫りの技術・髪

まず、彫りの技術は、髪の部分を見ると一目瞭然です。
人物のモミアゲの部分を拡大してみました。
髪の毛の1本1本まで丁寧に彫られているのがおわかりでしょうか。
この細かさ。この滑らかさ。
比較として写した1円玉でおわかりのように、線の間隔はだいたいみなさんの指紋と同じくらいです。
これをすべて彫刻刀だけで彫ったのかと思うと…これだけでも驚嘆ですね。
もちろんこの細かい描写はこの一部分だけではありません。広く髪全体に渡って施されています。大変な労力です。

また、彫りのすごさもさることながら、摺りにおいてもそれに負けないくらいの工夫が見られます。
髪の部分の黒さが、外側の生え際の細かい部分はやや薄いグレーに、内側のやや太目の部分は濃い色合いになっていますね。
ということはつまり、まず生え際のいちばん細かい毛の描写を一回摺って、次にその上に同じ輪郭で全体に薄めの墨を摺り重ねる。
さらにその上にもういちど内側の濃い墨の部分を重ねる、という具合に、三段階の重ね摺りを行っているわけです。
リアルさと立体感を持たせるために、このような三倍の手間をかけているわけですね。

スポンサーリンク