林忠正(3) - ゴンクールとの交流 - 浮世絵ぎゃらりぃ
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林忠正(3) - ゴンクールとの交流

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林忠正の業績/ゴンクール

林はパリで多くの文化人と交流しましたが、とりわけ親しくしていたのがエドモン・ド・ゴンクールでした。
ゴンクールは1891年に「歌麿」、1896年に「北斎」を出版していますが、この2冊の発刊に林の大きな協力があったことは残された書簡でも明らかですし、またゴンクール自身も「歌麿」の中で次のように述べています。

この原文からの翻訳は、『青楼絵本年中行事』の十返舎一九の解説文の翻訳と同様、親切な林忠正の知性と教養に負うものである。ここで声を大にして言っておかねばならないのは、現在のあらゆるジャポニザンの面々が、自分の研究における資料的側面を全面的に林忠正に頼っているという事実である。

「北斎」についても同様で、たとえば林の友人のミショット氏の手紙にはこのように記されています。

私は北斎に関するゴンクールの著作を、強い関心を持って読みました。もっとも、貴方が著者に伝えた翻訳文ならびに資料の一切を考えれば、この興味深い著作の大きな功績は貴方に属しているのですね。貴方はそのことを通じて、ヨーロッパにおける日本美術に多大なる貢献を果たしたのです。ゴンクールの本は至るところで読まれており、とくにここ、ブリュッセルでは、芸術家たちがこの書物を享受しています。 1896年3月30日

「歌麿」と「北斎」は確かにゴンクールの著作ではありますが、林との共著といっても過言ではないほどの貢献を彼は行っています。
日本美術に関する情報がまだまだ少なかった時代のヨーロッパでこの二冊が発行された意味はたいへん大きいですし、それを後押しした林の功績もまた計り知れないといえるでしょう。

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